列車に置き忘れる

東京から帰ってくる最終の新幹線は名古屋でも京都でもくどいほどにお忘れ物にご注意アナウンスをしていて、10号車の14番E席の下にあるかばんやデッキに置きっぱなしの紙袋についてのアナウンスもしていて、ああきっとこの電車は毎日忘れ物をいっぱい乗せて走っているんですね。のぞみ161号。寝たり起きたりしながら2時間半過ごしても酔いの醒めない頭でめっちゃ素晴らしい思いつきや言葉がキラキラと矢継ぎ早に浮かんで来るんだけど、家に帰って同居人としゃべってお風呂に入って寝たら忘れた。寝入りばなにも何かいろいろ楽しいことごとを考えていた気がするのですが、今や雲をつかむかんじ。まあこういうのはよくあることで、水溶き片栗粉がもわもわ真っ白になってるような状態なのだろうから、ほっといたらそのうち沈殿して、その時気が向けば言葉になってくれるのでしょう。脳にたくさんの情報が入ったあとはいつもそうです。20年前なら知恵熱出してるとこですが、今や酔いとともに飛ばす方法を覚えてしまいました。これをスレたというのか。しかしせっかくモワモワと巻き上がっても、言葉にならないまま澱のようにヘドロのようになってる何かもあると思います。が、そういうのもなるたけすくい取りたいと思うのです最近は。