中谷美紀『インド旅行記(1)〜(3)』

インド旅行記〈1〉北インド編 (幻冬舎文庫)

インド旅行記〈1〉北インド編 (幻冬舎文庫)

インド旅行記〈2〉南インド編 (幻冬舎文庫)

インド旅行記〈2〉南インド編 (幻冬舎文庫)

インド旅行記〈3〉東・西インド編 (幻冬舎文庫)

インド旅行記〈3〉東・西インド編 (幻冬舎文庫)

もう私のインド熱は高まるばかりです。ずうっと前からインドは来る!実は中国よりもポテンシャル高い国!と思ってたけど、NHKスペシャルでもインド急成長の話をやってたし、今さらインド株買っても遅いですね。本気で儲ける人々(ファンドとか)は、もうそろそろ手放す時期なんじゃないの。株のことはちっともわかんないけど「普通の人(個人投資家)が気にしだしたらもうそろそろ終わり」だと私は認識してます。だからね、次はトルコ株です。トルコ買うべき。中国もインドも、「今」注目されてるトコなんかもう遅いよ。

まあしかし、株もやったことなければ、インドにも行ったことがないのでした私(テヘッ)。去年は「会社辞めたらひと月くらいインドに」とか、ギリギリシューシューといろんな汁をにじませながら思ってたんですけど、辞めるタイミングを失いそのままです。なので、憧れを胸に『インド旅行記』を。

女優の書いた旅行記なんてアレでしょ、どうせうるるんみたいなヌルい旅して、帰ってきて口述でゴーストに書かせてんでしょー。何やったらゴーストも同行ちゃいますのん。程度に思ってたんだけど、美紀たんはちゃんとインドにハマってました。だって半年の間に4回も行ってるよ。いくら『嫌われ松子の一生』の撮影で心が壊れたからといって、この短期間に4回は行きすぎだ。何度か松子エピソードも出てくるけど、詳しくは触れられていない。よっぽどヒドい経験だったんだろうね(でも、映画『松子』はよかったと思います私は)(あ、そういやそれについての本も書いてるか)(インド旅だって、ついでに撮影して、幻冬舎文庫のキャンペーンオビになってたしな)(転んでもタダでは起きねーな。見上げた女優根性です)。ヌルいうるるん旅ではなかった、つってもそこは女優さん、自分でも書かれているように、すべてセッティング済みの優雅な個人周遊ツアー(アーユルヴェーダトリートメントとヨガセッションのオプションつき)で、読んでてもうらやましい限り。お金と時間とコネクションがあってこその旅でしょうな。ええなー。

インドの歴史や建造物の話になった途端に、ややガイドブック的な記述になることを除けば、旅で出会った人たちの話とか、食べたものの話(南インドのココナッツオイルたっぷりの食事に辟易したり、にわかベジタリアンになったり)なんかもいっぱい出てきて面白い。こういうのは、旅のさなかにきちんとメモをとっておかなければ、後で思い出して書けたもんではないもんな。

旅って「非日常の記憶」なんだよねえ。絶対にもう二度と行かないであろう所もあるし、というよりも、ほとんどの場所が結果的にそうなるから、その分記憶も鮮烈で、毎日の暮らしからその記憶だけがくっきりと浮き立つ。土地も人も言葉も食べ物も、何もかも違う場所で、日常と切り離された体験をできる私たちはなんて恵まれているんだろうかな。インドとか、世界には、一生自分の土地から動けない貧しい人々もいるのに……、なーんて思いつつも、インドのハイカーストの金持ちぶりはエグいことも私は知っている。NHKスペシャルでも見たけど、金の使いっぷりがものすごい。日本人の小金持ちの比ではありませんね。貧しい国ほど金持ちの金持ちぶりがスゴい、というのはねこぢるも書いていたっけな。そういやそもそも私はねこぢるを読んでインドに行きたくなったんだった。『私もトルコで考えた』に影響されてトルコには行ったのに、『ぢるぢる旅行記』読んでもずーっと行けていないのは、きっとまだ「インドに呼ばれていない」からなんだろうな。…と思い続けてもう10年、インドについていける体力がそろそろなくなってきたかもしれない(だから若いうちに行っときたかったんだよう)。いっそ一旦あきらめて、もっとばーさんになってから、クーラーつきのハイヤーで優雅にタージマハールを訪れるマハラジャツアー、とかにしといた方がいいんだろうか。インド…天竺…遠くて遠い国。そこに行けばどんな夢も叶うと言うのに。