『眠らない街 新宿鮫』

hilacchi2003-12-29

ビデオビデオで年が暮れますよ。なんで20年もほったらかしにしてたんだちくしょうめ!という勢いで真田広之まみれの年末。ハードボイルドですよ。いっしょに見た友人も「かかかかっこいい!」と白目をむいておりました。服はダサい*1が他の全てがもーステキ。今回の敵(って)はゲイの変造銃屋さん・木津こと奥田瑛二。かつてパクってぶちこんだ時に「刑事さんに男の味を教えてやるよ」と捨てゼリフを吐いたこの男が出所いたしまして物語ははじまります。そのうちに起こる警官殺傷事件。こーれはあのオカマの作った銃じゃねえのか!とハッテン場に潜入いたしまするは我らが「鮫」こと鮫島刑事。サウナで魅せるJACで鍛えた肉体美には、ネコ系オカマでなくとも「あんた好き」と言ってしまいそうです。あわわわわ。そうして白眉なのが奥田瑛二のアジトで捕らわれになり、後ろ手に柱にくくりつけられるシーン。「男の味をレクチャー」と豪語していた瑛二が鮫島をじわりじわりと嬲る。男女男と書いて嬲る!もちろんルージュマジック込みで。ナイフで(ダサい)シャツごと肌を薄く傷つけ、あげく「舐めてほしいんだろ!言えよ!」と銃を口の中にぶちこんで脅すわけです。舐めるのは血なんですけどね。この時の鮫島のビビリようがもうハンパない。普段新宿でぶいぶい言わしてる彼が、子羊のようにかたかたと震え、イヤイヤとかぶりを振る。あー、なんていい役者なんだろうと、見終わってから思ったわけです*2。まーこの場面はすんでのところでなんとかなるのですが、脱出後、包帯ぐるぐるのままで速攻向かうのが恋人未満で止まってたロックボーカル・晶こと田中美奈子のアパート。マンションではなくアパート。男に嬲られて我を忘れてしまったオレ、新しい扉が開きかけたかもしれない、いや違う!オレはノンケだっ!!!と、それを確かめるために美奈子にお願いするわけです。でも瑛二とのカラミの方が100倍エロいよ。そんで次の朝、彼女の机の上に吸いさしのコカインを発見してキレることキレること。他に隠してないか探してるんだろうけど、破壊してるようにしか。
ストーリー的には、デキル男・鮫島が何故危険な新宿署に配属され、部下もおらず出世にも見放されているかの理由である因縁や、その因縁相手である本庁勤めの警視(今井雅之)や、肌ツヤツヤ時代のキッチュこと松尾貴史がからんできたりするのですが、そのあたりの描かれ方がなんか消化不良なかんじ。若き日の浅野忠信もカコよかったです。

*1:90年代初頭の映画なもんで

*2:見てる最中に思わせる役者はまだまだ。見終わってからしみじみ「演技が上手かったなぁ」と思うのがホンモノだと私は思っております