永井豪『デビルマン』

デビルマン(1) (講談社漫画文庫)

デビルマン(1) (講談社漫画文庫)

知ってる人は知ってると思いますが、わたくしは「今さらそんなん誰でも知ってる、っていうか常識ですらあるのでは?」というようなことを「今さら」発見して驚く癖があります。そうこれはもう癖です。ハタチ越えてからの。近年では「私の中でのガンダムブーム」などが記憶に新しいと思いますが、つまり私はガンダムを放映20年後に見て、キターーーー!!とかなってるちょっととんまでキュートでビッチなおませさんなのです。あー興奮して何書いてるかわからんくなってきた。何に興奮しているかというと、そう、今さら『デビルマン』ですよ。デビルマンのショッキングな結末は「ショッキングである」ということだけは知っておりましたが、まさかまさか、あんなあんなラストだったなんて…。

あーあたしは本当に本当に、いろんなもんの順番を間違えているような気がします。『エヴァンゲリオン』見てから『トップをねらえ』見てから『ガンダム』シリーズ見たでしょ。そんでその後に『イデオン』見てるんだもん何だそれ。それから、村上龍は『イビサ』読んでから『69』読んだでしょ。友人に『69』のよーな軽めでステキな青春小説を教えてもらわなかったら、私の中で龍はクスリ漬けでセックス漬けの変態猟奇SM作家で終わっていたわ。そして春樹もな、高校の時に『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』から読んでしまって、今だに「理解できない人」で止まってる。*1*2

順番順番。大事だよね順番。何からどこから入ったとしても、それがその人の(またはジャンルの)最悪な作品であったり最難解な作品であったり*3、連綿と続いてきた系譜を受け継いだ末に生まれた作品であったりするわけだ。そしてそれだけで、その作家やジャンル全てを嫌い(とまではいかなくても苦手)になってしまうこともある。作品と受け手の不幸な出会いは、順番を間違える所から始まるんだなあ。

その点私は大人になってから、そういうこと*4を教えてくれる人に恵まれるようになったので、例えば村上龍との不幸な出会いが「単にタイミングを間違ってしまっただけ」ということがわかったりしてすごくうれしい。ある作品が私好みかどうか、というところまでは、ネット検索をかけただけじゃわからない。例えはてなで質問してもきっとわからない。デビルマンの結末もきっと、あー、それはわかりそう。知らずに読んでよかった。

*1:その後友人から『コインロッカー・ベイビーズ』と『ダンス・ダンス・ダンス』を読めば良いと教えてもらったけど

*2:そういえば『イビサ』も『ハードボイルドワンダーランド』も、高校時代の友人2人から勧められた本だった。高校んときくらいって、いわゆる「オトナな本」読んでるってこと自体を、そんなつもりがなくてもイキりたくなるもんだったのかもしれない。私の好みを無視して勧められたからなあ。当時の私は山田詠美とか、あと「夏の100冊」系の本を読んでいたのに

*3:もちろん「受け手にとって」の話

*4:つまり私にとっての最適な順番や、「それが好きなんなら、これも好きちゃうん」みたいなオススメ物件