『ラストサムライ』
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2006/12/08
- メディア: DVD
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ハリウッドがここまで「日本人が納得できる日本」を描いたことに素直に感嘆。まーそれもご愛敬、てなシーン*1もあったけど、笑ってしまうほど不自然な所はなかったです私の見る限り。しかし「ハリウッドなのにスゴイ!」って思ったのは後の話で、実は観てる間はそれどころじゃなく、日本がとかハリウッドがとか、誰が作ったかなんてちっとも考えず、ただただその流れに呑まれるような2時間半でございました。
多分私がこの映画でいちばん感動したのは、あのシーンこのセリフなどではなく、全体を通じて流れる、まー簡単に言うと「武士道」対してで。「武士道」「サムライスピリット」こそがこの映画の主題なんだろうから、私はそれにころりとやられた良い観客なんだろうなとは思うんですけどでも*2。でもですよ、いかに咲いていかに散るかというその散りざまの潔さにこそ、なんというかこう、失われてしまったうつくしさが垣間見えるのですよ。そう、きっともうそういう美しさは失われてしまったから余計に。よくぞ描いた。
勝元(渡辺謙)が体現するそういう武士道*3とそれに惹きつけられる若き大尉(トム・クルーズ演じるところのネイサン・オールグレン)や、たか(小雪)と絡むドラマ部分も良いのですが、なんせアクションシーンがこれがまた。殺陣と合戦。真田広之はやっぱりカッコいいですよ。例え背が低くとも!殺陣も舞も乗馬もなんでもできるね!さすが元JACそして日舞の名取!役柄(氏尾)もイイ。真田広之以外が演じたら単なるヤな奴だったかも。昔からすんごいスキなルックスではあったんですけど、コレ観て惚れ直した感があります。あとやっぱ私は「鬨の声」に弱いですね、わかりました。一世風靡セピアの「ソイヤソイヤ」にも弱かったけど、つまり、男子が一斉に「うぉい!」と叫ぶあの一瞬が好きなんですね。これはやっぱいくらホームシアターを5.1chにしても映画館の音にはかなわないですよ。是非劇場へ。まーとにかく、殺陣はメリハリがあってとても良かった。『キルビル』*4みたく冗長な感じはしなかったし。あと合戦シーンね。やっぱそこらへんはハリウッド的だなと思ったのは何故かというと、「戦争は凄惨なものだ」とゆうのをキッチリ描こうとする昨今の風潮をきっちりと踏襲していたからです。血が出る、皮膚が裂ける、骨が割れる、弾が貫く、痛い、そのあたりをわりとねちっこく描写。いくらカッコ良く見えても戦争とは戦いとはそういうものだ、と。まー確かにそうなんだけど、日本の時代劇ならあんまり見せなかった部分かも。
そして福本”40年間斬られ役”清三演じる「寡黙な侍」ね。彼こそが本当の意味でのラストサムライ。死に様にも注目してあげてください。