近藤ようこ『独りの夜も長くない』

「巣立ちをためらう『大人たち』」(オビより)。
この人の作品は、本当にいかず後家がよく出てくる。結婚できない男子も出てくるし、不倫したりとか虐待したりされたりとかもう大変だ。親*1との関係もヘンで、愛されず救われないまま大人になってしまう登場人物の何と多いことか。愛されなかったから愛せない、そんなループの中でもがく様を描き、そして大概の場合、希望や自立の「兆し」だけちょこっと描いて終わらせるからせつないまま*2。「私にそれができるのだろうか」みたいな問いかけで終わってしまうのもある。近藤ようこのマンガを読むたびに、もっと登場人物の面倒見てあげて!と私は思ってた。でもこの作品は、「兆し」だけで終わらせず、希望と自立をもうちょっとつっこんで描いている。最後のページで少し救われた気分になった。

*1:過干渉でウザいか、別のきょうだい又は愛人ばかりかまって放任するかのどっちか

*2:希望のある作品もありますが