安野モヨコ『ジェリービーンズ』

ジェリービーンズ(1) (KCデラックス)

ジェリービーンズ(1) (KCデラックス)

いちど読んだ本やまんがを何度も読み返す癖が私にはあるんですが、何度目かの『ジェリービーンズ』(安野モヨコ)を読んでまたしても「あの気持ち」に。「あの気持ち」ってゆうのは、何て言ったらいいんでしょうかねえ。15・6歳くらいのときに男子を好きになってキャーキャー言うてたりとか、進路どうしようとかその時は本気で悩みつつも、実は目前にはあらゆる可能性が開けてたこととか、放課後先生に「早よ帰れよ」と注意されるまでとりとめもないことを真剣にしゃべってたりとか、そういった青臭いけどキラキラした日々の匂いのような「あの気持ち」なんですよ*1。今15・6歳の女子の知り合いがいたら(いないけど)、まよわずこのまんがと、山田詠美『放課後のキィノート』をお勧めいたすよ。
で、思ったのですが私、御子柴(登場人物)がすごくスキだわ。『ジェリービーンズ』がスキな理由の7割くらいは御子柴がスキだからだわ。頭が良くて、優しくて、落ち着きがあって、彼女をフォローしてあげて、『エスパー魔美』の高畑さんのルックスを良くしてもっと男子っぽくしたような感じなんですけど。あ、高畑さんもスキだな。そうかそうか、なんだかすごくクリアになったわ今。スキな男子のタイプを聞かれると「理系でぇー、背が高くてぇー、リーマンでぇー、稼ぎが良くてぇー」とか鼻くそほじりながら言うてましたが、つまりこういうことだ。これからどんな男子がスキか聞かれたら、高畑さんみたいな人と答えよう。そうしようそうしよう。「理系でぇー」とか言うてる女子と「エスパー魔美の高畑さん。あでも見た目はみこしばで」とか言うてる女子、さてどっちがより一層引かれるか。やっぱ鼻くそほじってる方かな。

*1:心のBGMは、原由子の『少女時代』でお願いします